Maximum quantity allowed is 999
注文本数を選んでください。
製品情報 > 今週のTCIトピックス > 今週のTCIトピックス 2024年 >
二原子炭素の化学合成研究に有用な超原子価ヨウ素試薬
トリメチルシリルエチニル(フェニル)ヨードニウムテトラフルオロボラート (1)は、β-ジカルボニル化合物のα-エチニル化に有用なエチニル(フェニル)ヨードニウムテトラフルオロボラート (2)の前駆体で、それ自身もエチニル化剤として利用できます1)。
さて、宮本と内山らは1にテトラブチルアンモニウムフルオリドやふっ化セシウムを作用させることにより、室温で二原子炭素 (C2)が発生し、9,10-ジヒドロアントラセンやガルビノキシルフリーラジカルにトラップされたと報告しました2)。さらに、C2がナノカーボン類のボトムアップ合成原料としても使用可能であることを示しました。また、別グループにより、本手法を用いたN-(アシロキシ)イナミドの合成3)も報告されています。計算科学検討によりトラップ化合物の生成には遊離C2を経由しない経路の可能性も提案され4)、計算と実験の両面で検討されていますが、結論は得られていません5)。このように、1はエチニル化反応だけでなく、C2の化学合成と利用に関する研究においても注目されます。
関連製品
- P1239
- トリメチルシリルエチニル(フェニル)ヨードニウムテトラフルオロボラート
- E0467
- エチニル(フェニル)ヨードニウムテトラフルオロボラート
- P3256
- フェニル[(トリメチルシリル)エチニル]ヨードニウムトリフラート
- P1008
- カリウム tert-ブトキシド
- D0549
- 9,10-ジヒドロアントラセン
- G0020
- ガルビノキシル フリーラジカル
- C2204
- ふっ化セシウム
引用文献
- 1) Synthesis of ethynyl(phenyl)iodonium tetrafluoroborate. A new reagent for ethynylation of 1,3-dicarbonyl compounds
- 2) Room-temperature chemical synthesis of C2
- 3) Synthesis of N-(acyloxy)-N-alkynylamides via generation of “C2” from hypervalent alkynyliodane and a weak base
- 4) Routes involving no free C2 in a DFT-computed mechanistic model for the reported room-temperature chemical synthesis of C2
- 5) A combined DFT-predictive and experimental exploration of the sensitivity towards nucleofuge variation in zwitterionic intermediates relating to mechanistic models for unimolecular chemical generation and trapping of free C2 and alternative bimolecular pathways involving no free C2