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可視光レドックス触媒

 可視光照射により電子状態が変化し,基質に対して一電子酸化と一電子還元の両方に活性を示す触媒(可視光レドックス触媒)は,太陽光をエネルギー源として活用するという観点からも注目を集めています1)。酸化剤と還元剤を共存させて反応系を設計することは一般的に困難ですが,光レドックス触媒を用いた系では特徴的な反応が見出されます。また,これらの光触媒サイクルにおいては,酸化過程と還元過程の両方のステップを含む“Redox-neutral”な反応系であることが知られています。
 イリジウム(III)フェニルピリジル錯体(13),ルテニウム(II)ポリピリジル錯体などは,可視光照射下では光レドックス触媒として機能します2,3)。これらの遷移金属錯体は励起三重項状態が長寿命であることから,光反応による分子変換に有用な光触媒です。また,配位子を化学的に修飾することで,錯体の酸化還元電位を制御できる特徴があります4)

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