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異性体を含まないアントラジチオフェン誘導体
No.170(2016/07発行)
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ペンタセンは優れたp型有機半導体ですが,その高いHOMOレベルに起因する酸化への不安定性のため,デバイス作成時の性能のバラつきや長期的安定性に問題があります。それに対して,低いHOMOレベルを有するアントラジチオフェンは酸化に対してより安定であり,ペンタセン同様の優れたp型半導体特性を示します。しかしながら,多くのアントラジチオフェン誘導体は,チオフェン環の向きによるsyn-,anti-異性体の混合物であるため,デバイス作成時にそれぞれの異性体が性能に与える影響が不明確でした。
ジメチルアントラジチオフェン(DMADT)は,時任・侭田らによって開発されたアントラジチオフェン誘導体であり,anti-体とsyn-体を単一異性体としてそれぞれ合成しています1)。これにより,DMADTはsyn/antiそれぞれの物性が報告されており,光学特性やエネルギーレベルは類似するも,ホール移動度はより対称性の高いanti-DMADT(μ = 0.41 cm2/Vs)が,syn-DMADT(μ = 0.084 cm2/Vs)よりも5倍ほど優れた値を示します。この結果はアントラジチオフェンを使ったデバイス作製において,単一異性体を使用する重要性を示しています。
弊社では独自に異性体が混在しない合成ルートを開発し,anti-DMADT(1)とsyn-DMADT(2)それぞれを高純度品として製品化しました。
文献
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また,地域等によって販売製品が異なります。製品詳細ページが表示されない場合は,販売は行っておりませんのでご了承ください。
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