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1,2-ジケトン骨格を反応活性部位とするテトラセン誘導体の有機エレクトロニクス材料合成用ビルディングブロック / A Building Block for Organic Electronic Material Incorporating A Reactive 1,2-Diketone Moiety Forming Tetracene Derivatives
No.162(2014/07発行)
複数のベンゼン環が直線状に縮合した構造を持つアセン類は,有機エレクトロニクスの研究に重要な材料として知られます。したがって,アセン構造を有するビルディングブロックは,新しい有機エレクトロニクス材料の開発に欠かせない原料化合物となります。松尾らによって2011年に報告されたシクロペンタ[fg]テトラセン-1,2-ジオン(1)は,1,2-ジケトン骨格を有するテトラセン誘導体のビルディングブロックであり,類品であるアセナフチレン-1,2-ジオンおよびアセアントリレン-1,2-ジオンよりも長いアセン構造を持つのが特徴です1)。1はテトラセンの化学的に不安定な部位に対し付加基を組み込んだ構造を持つため,通常のテトラセンに比べ,酸化に対して格段に安定な化合物です。
1は,テトラセンと塩化オキサリルとのダブルフリーデル-クラフツ反応により合成されています1)。単結晶X線構造解析によると,結晶中での1の平面性は非常に高く,分子同士がπスタックした結晶構造も確認されました。松尾らの報告によると,1は1,2-フェニレンジアミン類と反応することで,π共役系の延長したピラジン誘導体を生成します2)。さらにジスルフィドのようなドナー部位を導入することで,およそ800 nmまでの長波長光吸収が可能な,低分子ローバンドギャップ材料の合成に成功しています。ピラジン誘導体の有機電界効果トランジスタ(OFET)特性なども報告されており2),1をビルディングブロックとした新規テトラセン誘導体の合成開発が今後も期待されます。


Packing structure of 1 viewed along the c axis

文献
- 1)Synthesis, physical Properties, and Crystal Structure of Acetetracenylene-1,2-dion
- 2)Benzopyrazine-fused tetracene derivatives: Thin-film formation at the crystalline mesophase for solution-processed hole transporting devices
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