テトラチアフルバレン(TTF)とテトラシアノキノジメタン(TCNQ)の錯体が,有機物質として初めて金属的伝導性を示して以来,分子性金属の開発が盛んに行われ,これまでに多くの電子供与体と電子受容体が見出されています。中でもTTF骨格をもつ電子供与体が数多く合成され,超伝導体の研究に利用されています。
シアノエチル基で保護された1および2は,様々なTTF誘導体の合成に有用です。例えば,1に対して1当量の水酸化セシウムを用いて片側のみを脱保護させた後,求電子剤を反応させることにより4,5-位に異なる置換基を導入することができます。続いて,2とのカップリングにより,TTF誘導体3を合成できます1)。
また最近,単一中性分子からなる初めての分子性金属として報告された拡張型
TTF骨格をもつジチオレン配位子の遷移金属錯体分子が2を用いて合成されています2)。
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TTF誘導体の合成 / Synthesis of Functionalised TTFs
No.113(2002/01発行)
文献
- 1)Sequential functionalisation of bis-protected tetrathiafulvalene- dithiolates
- 2)High electrical conductivity of neutral molecular metal
- A. Kobayashi, H. Tanaka. M. Kumasaki, H. Torii, B. Narymbetov, T. Adachi, J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 10763.
- 小林昭子, 田中 寿, 小林速男, 現代化学 2001, 364, 59.
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