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高純度カルバゾール/室温燐光誘発剤

カルバゾールは材料科学において頻用されている物質です。2021年にLiuらのグループによって,カルバゾールの純度がカルバゾールの発光特性に大きく影響を与えることが報告されています1,2)。Liuらは,原油由来のカルバゾールにわずかに含まれる1H-Benzo[f]indole (= Bd)が室温燐光を誘発することを証明しています。また,Bdが含まれるカルバゾールを原料とした誘導体においても,室温燐光が誘発されることが確認されており,これらの結果は材料科学における原料純度の重要性を示しています。

C3722, B6283


燐光を示さないカルバゾール

TCIでは,Bdを含まない高純度カルバゾール [C3722]をご用意しました。C3722は室温燐光を示さないことをロット毎に保証しています。一般的なカルバゾールの吸収スペクトルを高濃度で測定すると,不純物に由来する350 - 400 nmの吸収が確認できるのに対して,同濃度で測定したC3722は吸収末端がフラットです(図1)。また,一般的なカルバゾールでみられる500-800 nmの室温燐光がC3722では観測されません(図2)。

カルバゾールの品質による吸収スペクトルの差異

図1. カルバゾールの品質差による吸収スペクトルの違い


カルバゾールの品質差による室温燐光放出の違い

図2. カルバゾールの品質差による室温燐光放出の違い


製品

特長

  • 室温燐光を示さないことを保証した高品質品
  • 1H-Benzo[f]indoleを含まない
  • 高品質のカルバゾール含有材料の合成に最適

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室温燐光誘発剤 Bd

室温燐光誘発物質としての性質に着目し,Bd [B6283]も製品化しました。カルバゾールと比較したBdの吸収および発光特性を表1および図3に示します。室温燐光を示さないカルバゾール [C3722]にBdを0.5wt%添加することで,500 - 700nmの領域に室温燐光の放出が確認できます(図4)。

表1. Bdおよびカルバゾールの吸収および発光特性

BDおよびカルバゾールの吸収および発光特性


Bdの吸収および蛍光スペクトル

図3. Bdの吸収および蛍光スペクトル


BdのC3722への添加による室温燐光の発現

図4. BdのC3722への添加による室温燐光の放出


製品

特長

  • ごく微量の添加で室温燐光を誘発
  • 誘導体もカルバゾールへの添加で室温燐光を示す
  • 官能基化により燐光誘発特性の制御が可能

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