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TCI反応実例: Pd2(dba)3tBu3P·HBF4を用いるBuchwald-Hartwigアミノ化反応

Pd2(dba)3tBu3P·HBF4を触媒とした、ジフェニルアミンと4-クロロアニソール間のBuchwald-Hartwigクロスカップリングによる、4-メトキシトリフェニルアミンの合成をご紹介します。

TCI反応実例:Pd2(dba)3とtBu3P·HBF4を用いるBuchwald-Hartwigアミノ化反応

使用した化学品

実施手順

300 mL フラスコに、ジフェニルアミン (5.01 g, 29.6 mmol, 1.0 eq.)、4-クロロアニソール (4.48 g, 31.4 mmol, 1.05 eq.)、脱気したトルエン (150 mL)を順に加えた。この溶液に、Pd2(dba)3 (0.287 g, 0.131 mmol, 1 mol%)、tBu3P·HBF4 (0.198 g, 0.683 mmol, 2 mol%)、ナトリウム tert-ブトキシド (6.34 g, 66.0 mmol, 2.2 eq.)を順に加えた後、窒素雰囲気下で16時間加熱還流した。室温まで放冷した後、ジクロロメタン (300 mL)を加えて希釈した。不溶物をろ過で除去し、ろ液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮乾固して褐色固体を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 99:1 - 8:1)で精製し、ジフェニルアミンを約10 mol%含んだ淡褐色固体 (7.0 g)を得た。この固体をヘキサン (55 mL)から再結晶すると、4-メトキシトリフェニルアミンが白色結晶として得られた(5.62 g, 65 %)。

実施者コメント

反応溶液はTLC (酢酸エチル:ヘキサン = 1:10, 原料のRf: ジフェニルアミン = 0.36, 4-クロロアニソール = 0.59; 目的物のRf = 0.46)でモニタリングした。

分析データ

4-メトキシトリフェニルアミン

1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 7.26-7.17 (m, 4H), 7.10-6.98 (m, 6H), 6.98-6.91 (m, 2H), 6.89-6.82 (m, 2H), 3.79 (s, 3H).

13C NMR (101 MHz, CDCl3); δ 156.72, 148.56, 141.00, 129.39, 127.72, 123.12, 122.15, 115.05, 55.77.

先行文献

その他の参考文献

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