DMSOを触媒とする(ヘテロ)アレーン類の塩素化反応

Jiaoらは，N-クロロスクシンイミド(NCS)と，触媒量のDMSOを用いた(ヘテロ)アレーン類の塩素化を報告しています。この反応は種々の(ヘテロ)アレーンに適用でき，例えばインドール，ピリジンおよびチオフェンを高収率および位置選択的に塩素化します。さらに，ナプロキセンや，ジクロフェナクのような医薬品や天然物のパパベリン塩酸塩やポドフィロトキシン，そしてチロシン残基の側鎖部位も塩素化できます。本反応は中性条件かつ室温で塩素化できるため，合成後期のクロロ化反応として創薬研究に用いられることが期待されます。また，銅塩を用いたC-H活性化を伴う塩素化反応^2,3)と比べて温和かつ簡便に実施できるのも本反応の特長といえます。