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アミジン骨格の導入に有効なN,N-二置換シアナミド誘導体
N,N-二置換シアナミド誘導体はアミン類にシアノ基が直接置換した化合物であり,有機合成反応においてアミジン骨格部位の導入に有効です。例えば,ビピリジル配位子とパラジウム触媒存在下,アリールトリフルオロボラートとピペリジン-1-カルボニトリルをマイクロウェーブ中で反応させることで,相当するアリールアミジン誘導体が得られます1)。一方,1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンを配位子として用いる鉄触媒と亜鉛末から成る触媒系では,ジイン類とN,N-二置換シアナミド誘導体との[2+2+2]型の環化反応が進行して2-アミノピリジン類が得られます2)。この反応では,末端ジインだけでなくメチル基やフェニル基,TMS基が置換したジイン類を用いることができ,この場合,よりかさ高い置換基が3-位に置換した2-アミノピリジン類が優先して得られます。このように,N,N-二置換シアナミド誘導体は,アリールアミジン誘導体や多置換2-アミノピリジン類の合成に活用することが可能です。
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文献
- 1)Direct Palladium(II)-Catalyzed Synthesis of Arylamidines from Aryltrifluoroborates
- 2)Iron-Catalyzed Cycloaddition Reaction of Diynes and Cyanamides at Room Temperature