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遷移金属触媒を必要としないホウ素化を可能にするシリルボラン

2-(ジメチルフェニルシリル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン1)はシリルボランの一種で,カリウムメトキシドを塩基として種々の臭化アリールやアルケニル,臭化アルキルを室温で作用させることで,対応するホウ素化物を合成できます。この反応はフルオロ基,クロロ基,エステル基,アミド基などの官能基を有する基質に対しても適用可能です。また,パラジウム触媒を必要としないため,アリルエーテル部位を有した基質にも応用できます。さらに,立体障害が極めて大きく,従来法では容易にホウ素化できなかった2に対しても高い収率でホウ素化することができます。
本反応は重金属を用いないため,環境負荷が少ないことも大きな特徴です。合成したホウ素化体はこのまま鈴木-宮浦クロスカップリング反応に用いることも可能です。

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