急性感染症であるインフルエンザはインフルエンザウイルスによって引き起こされます。インフルエンザウイルスはその粒子表面にヘマグルチニンという糖タンパク質を有しており,ヘマグルチニンが動物細胞表面のシアル酸であるN-アセチルノイラミン酸(NANA)に結合することでウイルスが細胞内に侵入します。そしてウイルスに感染した細胞が複製したウイルス遺伝子は,細胞感染を拡げるためにウイルス粒子として細胞外に放出されます。その際にウイルス粒子表面にあるノイミラニダーゼという酵素が細胞表面のシアル酸残基を切断することで,ウイルス粒子が遊離することが分かっています1,2)。
1970年代に,シアル酸類縁体である 2,3-デヒドロ-2-デオキシ-N-アセチルノイラミン酸(DANA)がインフルエンザウイルスノイラミニダーゼを阻害することが明らかになりました3,4)。その後,コンピューターによるドラッグデザインによりDANAの誘導体であるザナミビルが開発され5),抗インフルエンザウイルス剤として利用されるようになりました。現在もDANAを元にしたノイラミニダーゼを阻害する新しい抗ウイルス剤の開発が進められています6)。
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インフルエンザウイルスの増殖を抑制するノイラミニダーゼ阻害剤
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文献
- 1)Neuraminidase inhibitors for influenza
- 2)Influenza virus neuraminidase inhibitors
- 3)Influence of 2-deoxy-2,3-dehydro-N-acetyl neuraminic acid on myxovirus-neuraminidases and the replication of influenza and Newcastle disease virus
- 4)Inhibition of neuraminidase activity by derivatives of 2-deoxy-2,3-dehydro-N-acetylneuraminic acid
- 5)Rational design of potent sialidase-based inhibitors of influenza virus replication
- 6)Drugs in Development for Influenza