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三枚羽根の形をした歯車様分子

 トリプチセン1)は,1942年にP. D. Bartlettらによって合成報告された三枚羽根の形をした分子です。その構造は剛直で,120°に開いた三つ又骨格をしていることから,古代の三連祭壇画(triptych)を元に名づけられました1,2)
 1はそのユニークな構造のため,分子機械の部品として研究されています。例えば9-ブロモトリプチセン2)を用いて,シクロプロペニウム環に3つのトリプチセンが付いた分子かさ歯車が合成されています3)。また,2の嵩高い構造により安定化された9-トリプチシルセレノールに誘導し,続いてパラジウム錯体と反応させることでセレナパラダサイクルの合成も行われています4,5)

B3955&T2807

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