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m-キシリレンジアミンを用いた二酸化炭素の選択的吸収
稲垣と向らは, m-キシリレンジアミン (MXDA) を用いる空気中の二酸化炭素(CO2)を選択的に捕捉する手法を報告しています。それによると,ペトリ皿にMXDAを加えて静置すると,空気中のCO2はMXDAのアミノ基と速やかに反応し,MXDA・CO2付加体(1)として捕捉されます。このとき1は,フェニル基による疎水性により水和が抑えられるため,水分による分解を受けることなくCO2を捕捉した状態を維持します。一方1は,加熱により乾燥CO2として取り出すことが可能で,水分を含まないので直接Grignard反応に用いることが可能です。一般に,CO2を捕捉して貯蔵する技術 (CO2 capture and storage = CCS) では,CO2と共に水分も捕捉するため,CO2の取り出しには非常に厳しい加熱処理を必要とします。一方,本技術は水分を取り込まずにCCSを可能にする手法として,今後の活用が期待されます。
文献
- CO2-Selective Absorbents in Air: Reverse Lipid Bilayer Structure Forming Neutral Carbamic Acid in Water without Hydration