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ペルフルオロ酸無水物を用いるペルフルオロアルキル化反応
河村と袖岡は,ペルフルオロ酸無水物をペルフルオロアルキル源とするアルケン類との反応を報告しています。それによると,触媒量のテトラキス(アセトニトリル)銅(I)ヘキサフルオロホスファート存在下,トリフルオロ酢酸無水物(TFAA)と尿素-H2O2付加体からTFAAの過酸化物を調製し,これをアルケン類と反応させることでトリフルオロメチル化を行っています。この反応では,ペルフルオロ酸無水物を用いた場合にも同様な反応が進行し,相当するペルフルオロアルキル化体が得られます。本反応の機構は,調製した過酸化物と銅(I)錯体から一電子移動により生成するラジカル中間体を経由して反応が進行すると考えられています。一方,フェニル基に適度な長さの炭素鎖を挟んだアルケン類を用いた場合には,銅(I)錯体が存在しない条件下でも分子内ラジカル環化反応が進行し,ペルフルオロアルキル基をもつ二環式化合物が得られます。
文献
- Perfluoroalkylation of Unactivated Alkenes with Acid Anhydrides as the Perfluoroalkyl Source