メチルアレーン類のベンジル位へのC–ヘテロ原子結合構築反応

東郷らは，メチルアレーン類のベンジル位C–H結合をワンポットでC–ヘテロ原子結合へ変換する反応を報告しています。本報告では，メチルアレーンを1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインまたはNBSとラジカル開始剤AIBNを用いてWohl–Ziegler臭素化し，続いて求核試薬を加える反応を実施しています。通常のC–ヘテロ原子結合構築反応の多くは高温条件下で毒性のある遷移金属を用いており，さらにその大半はC–O結合構築です。それに対して本反応は遷移金属を用いることなく，温和な条件下で進行します。本方法は，メチルアレーン類から官能基化メチルアレーン類を合成できる有用な方法と言えます。