text.skipToContent text.skipToNavigation

Maximum quantity allowed is 999

注文本数を選んでください。

抗体を用いた糖鎖検出のアプリケーション

TLC-immunostainingによる糖脂質の検出

糖脂質のTLC-immunostaining技術は、薄層クロマトグラフィー(TLC)により糖脂質を分離した後、特異的抗体を用いて検出する手法です。糖脂質を含むサンプルをTLCプレートに展開し、分子の移動距離に応じて分離されます。分離された糖脂質に対する特異的な抗体でTLCプレートを処理し、酵素標識二次抗体などで染色して目的の糖脂質を同定します。技術的な利点として、TLC-immunostainingはサンプルの前処理が少なく済み、複数の糖脂質を同時に分離・検出できるため、サンプル量が限られる場合でも適用可能な解析手法です。複雑な糖脂質の解析において他の方法に比べて迅速かつ簡便です。

試薬および実験材料

  • 糖脂質溶液(0.1 mg/mLにメタノールで溶解)
  • TLC展開溶媒: クロロホルム/メタノール/水 (60:35:8) (クロロホルム(製品コード:C1111)とメタノール(製品コード:M0628)を使用)
  • TLCプレートコート剤: 0.4% メタクリル酸イソブチル(ポリマー)/ヘキサン溶液 (メタクリル酸イソブチル(ポリマー) (製品コード:M0086)とヘキサン(製品コード:H0490)を使用)
  • ブロッキング剤: 1% BSA/PBS
  • プレート洗浄液: PBS
  • HRP発色基質溶液: TMB溶液(製品コード:T3854)など
  • 一次抗体: Anti-SSEA-4 (SialylGb5) Monoclonal Antibody(製品コード:A3742
  • 二次抗体: Goat Anti-Mouse IgG+M-HRP

ページトップへ

プロトコール

  1. TLCプレートに各糖脂質(0.1 mg/mL in メタノール)を1 μL×5回スポットする。
  2. 展開溶媒を用いて、スポットした糖脂質を展開する。
  3. TLCプレートコート剤にプレートを1分間浸す。
  4. プレートを乾燥させる。
  5. ブロッキング剤に浸し、室温で30分間ブロッキングを行う。
  6. プレートをPBSで洗い、乾燥させる。
  7. 一次抗体(10 μg/mL)をプレートに乗せて、室温で1時間反応させる。
  8. プレートをPBSで洗い、乾燥させる。
  9. 二次抗体(1 μg/mL)をプレートに乗せて、室温で30分間反応させる。
  10. プレートをPBSで洗い、乾燥させる。
  11. 発色剤で発色を行う。

ページトップへ

実験例

TLC-immunostaining法によるSSEA4セラミドの検出

図. TLC-immunostaining法によるSSEA4セラミドの検出
(左:10%硫酸エタノールで糖脂質を検出、右:A3742でSSEA4セラミドを検出)

ページトップへ

関連製品

ページトップへ

FCMによる細胞表面の糖脂質の検出

フローサイトメトリー(FCM)による細胞表面の糖脂質検出は、特異的抗体やレクチンで糖脂質を検出し、細胞単位で蛍光強度を測定する技術です。この手法では、細胞表面に発現する糖脂質の量を高感度に解析できます。糖脂質検出法には、薄層クロマトグラフィー(TLC)やELISA やMS(質量分析)があります、特に質量分析(MS)は高精度な組成解析が可能ですが、細胞単位での直接解析が難しく試料の前処理が必要です。FCMは、1秒間に数千の細胞を測定し、個別の細胞の糖脂質発現パターンを比較できるため、MSとは異なる視点からのプロファイリングが可能です。また、少量のサンプルでも再現性の高い結果が得られます。MSが組成解析や構造同定に優れる一方、FCMは細胞ごとの糖脂質の多様性解析において高い有用性を発揮します。

試薬および実験材料

  • ミニブタ保存血
  • 赤血球溶解バッファー
  • 細胞洗浄液: 1% FBSを含むPBS
  • Anti-αGal Polyclonal Antibody R-PE Conjugate(製品コード:A3354
  • Anti-NeuGc Polyclonal Antibody R-PE Conjugate(製品コード:A3360
  • Chicken IgY PE Conjugate (Isotype control)

ページトップへ

プロトコール

  1. ミニブタ保存血を溶血し、末梢血単核球を単離する。
  2. 1% FBSを含むPBSで3回洗う。
  3. Anti-αGal Polyclonal Antibody R-PE Conjugate、Anti-NeuGc Polyclonal Antibody R-PE ConjugateおよびIsotype controlを10 μg/mLになるように添加し、氷上で30分間反応させる。
  4. 1% FBSを含むPBSで3回洗う。
  5. フローサイトメーターで末梢血単核球を測定する。

ページトップへ

実験例

Anti-αGal Polyclonal Antibody R-PE Conjugateを用いた、フローサイトメトリーによるミニブタ顆粒球に存在する非ヒト型糖鎖の検出 Anti-NeuGc Polyclonal Antibody R-PE Conjugateを用いた、フローサイトメトリーによるミニブタ顆粒球に存在する非ヒト型糖鎖の検出

図. フローサイトメトリーによるミニブタ顆粒球に存在する非ヒト型糖鎖の検出

ページトップへ

参考文献

ページトップへ

関連製品

ページトップへ

抗コンドロイチン硫酸抗体を用いたコンドロイチン硫酸A(CS-A)およびコンドロイチン硫酸D(CS-D)の特異的検出

細胞外マトリックスはヒトなどの高等生物が細胞、組織、器官を形成する為に必須の要素です。細胞間のつながりや機能を制御する場を作り、細胞の活動(増殖、分化、移動、代謝、形態)に影響を与えることで生命現象(発生、加齢、炎症、創傷治癒、免疫)に大きく関わっています。その中で重要な役割を果たすのがコンドロイチン硫酸やヒアルロン酸、ケラタン硫酸などのグリコサミノグリカン(GAG)です。多糖であるグリコサミノグリカンの機器分析は非常に難しく、特に細胞や組織の“生の場”での解析は抗体が検出ツールとして重要です。

試薬および実験材料

  • BSA結合コンドロイチン硫酸(CS-A:クジラ軟骨由来、 CS-D:サメ軟骨由来、CS-E:イカ軟骨)
  • 抗コンドロイチン硫酸Aモノクローナル抗体(LY111)(製品コード:A3143) (最終濃度0.1 μg/mLで使用)
  • 抗コンドロイチン硫酸Dモノクローナル抗体(MO-225)(製品コード:A2872) (最終濃度0.05 μg/mLで使用)
  • HRP結合ヤギ抗マウスIgG+M抗体 (10000倍希釈で使用)
  • コーティング緩衝液:0.1 M 炭酸ナトリウム緩衝液pH 8.5
  • 洗浄液:TBST(Tris-buffered saline with 0.05% Tween 20(製品コード:T2530))
  • ブロッキング溶液:1% BSA/TBST
  • HRP発色基質溶液:TMB溶液(製品コード:T3854)など
  • 反応停止液:1N HCl
  • 高結合タイプELISAプレート

ページトップへ

プロトコール

  1. コーティング:ELISAプレートに1 μg/mLに調製したBSA結合CSを100 μL/ウェル加え、4°Cで一晩結合させる。
  2. ブロッキング:プレートを洗浄後、ブロッキング溶液を150 μL/ウェル加え、室温で2時間静置する。
  3. 一次抗体:プレートを洗浄後、ブロッキング溶液で希釈した各抗CS抗体を100 μL/ウェル添加し、室温で30分間静置する。
  4. 二次抗体:プレートを洗浄後、ブロッキング溶液で希釈したHRP結合抗マウスIgG+M抗体を100 μL/ウェル添加し、室温で30分間静置する。
  5. 発色:プレートを洗浄後、HRP発色基質溶液を100 μL/ウェル加え、室温で30分間静置する。
  6. 測定:反応停止液を100 μL/ウェル加え、プレートリーダーで450 nm (Ref. 630 nm)の吸光度を測定する。

*各ステップのプレートの洗浄は、200 μL/ウェルの洗浄液で3回行う(コーティング後は2回)。

ページトップへ

実験例

抗コンドロイチン硫酸抗体を用いたコンドロイチン硫酸A(CS-A),コンドロイチン硫酸D(CS-D)の特異的検出

図. 抗コンドロイチン硫酸抗体を用いたコンドロイチン硫酸A(CS-A)およびコンドロイチン硫酸D(CS-D)の特異的検出

ページトップへ

参考文献

Anti-Chondroitin Sulfate D Monoclonal Antibody (MO-225)

Anti-Chondroitin Sulfate A Monoclonal Antibody (LY111)

ページトップへ

関連製品

ページトップへ

抗体糖鎖の検出(抗体医薬品の非ヒト型糖鎖の検出)
ーサンドイッチELISA法による抗体医薬品のαGal糖鎖の検出ー

抗体医薬品やバイオ医薬品の糖鎖構造は、薬剤の有効性や安全性に大きな影響を与えます。糖鎖は抗体の安定性、血中半減期、免疫反応性に関与し、特にFc領域の糖鎖修飾は抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)や補体依存性細胞傷害作用(CDC)に影響を与えます。バイオ医薬品の製造にはヒト以外の動物細胞株も用いられるため、非ヒト型糖鎖、特にα-1,3-ガラクトースやN-グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)を含む糖鎖の付加が否定できません。これらの糖鎖は、ヒトの免疫系によって認識されることがあり、免疫反応やアレルギー反応のリスクを増大させる可能性があります。これらの理由から、非ヒト型糖鎖の検出法が重要視されています。これらの非ヒト型糖鎖の検出アプリケーションについてご紹介します。

試薬および実験材料

  • Anti-Human Fc Antibody
  • Anti-αGal Chicken Polyclonal Antibody HRP Conjugate(製品コード:A3195
  • コーティングバッファー:0.1 M 炭酸バッファー (pH8.5)
  • HRP発色基質溶液:TMB溶液(製品コード:T3854) など
  • 洗浄バッファー:TBST(Tris-buffered saline with 0.05% Tween 20(製品コード:T2530))
  • ブロッキング溶液:1% BSA/TBST
  • 反応停止液:1N HCl
  • 高結合タイプELISAプレート

ページトップへ

プロトコール

  1. 捕捉抗体のコーティング:高結合タイプELISAプレートに抗ヒトFc抗体 100μLをコートし、室温で2時間もしくは4°Cで一晩静置する。
  2. ブロッキング:各ウェルにブロッキング溶液 150μLを加え、室温で2時間もしくは4°Cで一晩ブロッキングする。
  3. ウェルの洗浄後、被検体(セツキシマブ)をブロッキング溶液で各濃度(0-100 ng/mL)に希釈し、ウェルにアプライして、室温で1時間反応させる。
  4. ウェルの洗浄後、検出用抗体(Anti-αGal Chicken Polyclonal Antibody HRP Conjugate)を2000倍希釈し、各ウェルに100 μL添加し、室温で1時間反応させる。
  5. ウェルの洗浄後、HRP発色基質溶液を100 μL添加し、30分間反応させる。
  6. 反応停止液を100 μL添加し、450 nm (Ref. 630 nm)の吸光度をプレートリーダーで測定する。

ページトップへ


サンドイッチELISAによるアッセイ概略図

サンドイッチELISAによるアッセイ概略図

ページトップへ

実験例

サンドイッチELISAによる、治療用抗体に存在する非ヒト糖鎖(αGal)の検出

図. サンドイッチELISAによる、治療用抗体に存在する非ヒト糖鎖(αGal)の検出


ページトップへ

抗体糖鎖の検出(抗体医薬品の非ヒト型糖鎖の検出)
ーイムノブロット法による抗体医薬品のαGal / Neu5Gc糖鎖の検出ー

試薬および実験材料

  • Anti-NeuGc Polyclonal Antibody HRP conjugate(製品コード:A3397
  • Anti-αGal Chicken Polyclonal Antibody HRP Conjugate(製品コード:A3195
  • HRP発色基質溶液:TMB溶液(製品コード:T3854) など
  • SDSサンプルバッファー(製品コード:B5834あるいはB6104、など)
  • 洗浄バッファー:TBST(Tris-buffered saline with 0.05% Tween 20(製品コード:T2530))
  • ブロッキング溶液:1% BSA/TBST
  • PVDF膜
  • ブロッティング装置(セミドライ式)

ページトップへ

プロトコール

  1. サンプル調製:サンプルをSDS-PAGEサンプルバッファー(還元)で処理し、加熱処理する。
  2. 電気泳動(SDS-PAGE):タンパク質サンプルをポリアクリルアミドゲルにロードし、電気泳動で分離させる。
  3. 転写(ブロッティング):電気泳動後、ゲルからタンパク質をメンブレン(PVDF膜)に転写させる。
  4. ブロッキング:メンブレンをブロッキングバッファー(1% BSA/TBST)でブロッキングする。
  5. 一次抗体:ブロッキングしたメンブレンを一次抗体と室温で1時間反応させる。
  6. メンブレンの洗浄:メンブレンを洗浄バッファー(TBST)で3回洗浄し、非特異的な抗体を除去する。
  7. 検出:HRP酵素基質を用いて検出する。

ページトップへ

実験例

イムノブロット法による抗体医薬品のαGal / Neu5Gc 糖鎖の検出

図. イムノブロット法による抗体医薬品のαGal / Neu5Gc糖鎖の検出

ページトップへ

その他の実施例:抗αGalポリクローナル抗体を用いたイムノクロマトグラフィー法による抗体医薬品セツキシマブのαGalエピトープの検出

イムノクロマトグラフィーは検体を滴下するだけで、15分以内に結果が得られる簡便性・迅速性に優れた手法です。テストラインとコントロールラインの両方が発色した場合は陽性になり、コントロールラインのみが発色した場合は陰性になります。

イムノクロマトグラフィー法によるアッセイ概略図

イムノクロマトグラフィー法によるアッセイ概略図

ページトップへ

実験例

イムノクロマトグラフィー法を用いた、抗体医薬品に存在するαGalエピトープの簡便かつ短時間な検出

図. イムノクロマトグラフィー法を用いた、抗体医薬品に存在するαGalエピトープの簡便かつ短時間な検出

ページトップへ

本試薬ラインナップの一部は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「次世代医療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業」の支援によって行われ、AMEDの課題番号(JP20ae0101057)の支援によって製品化しました。

ページトップへ

セッション情報
セッションの残り時間は10分です。このまま放置するとセッションが切れてホーム(トップページ)に戻ります。同じページから作業を再開するために、ボタンをクリックしてください。分です。このまま放置するとセッションが切れてホーム(トップページ)に戻ります。同じページから作業を再開するために、ボタンをクリックしてください。

セッションの有効時間が過ぎたためホーム(トップページ)に戻ります。