Bis(pentafluorophenyl) Carbonate

実験例：100 mL丸底フラスコに2,2-ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸（3.0 g, 22 mmol），炭酸ビス(ペンタフルオロフェニル)（21.7 g, 55 mmol），フッ化セシウム（0.7 g, 4.6 mmol），テトラヒドロフラン（70 mL）を入れる。最初，反応系は不均一だが，1時間後，澄明な均一系溶液になる。これを20時間撹拌する。反応溶液を減圧濃縮し，残渣をジクロロメタンに溶かすと，10分後に副生成物が沈殿する。これを濾過し，濾液を炭酸水素ナトリウム水溶液，水で洗浄し，無水硫酸マグネシウムで乾燥，濾過する。得られた濾液を減圧濃縮し，残渣を再結晶法（酢酸エチル/ヘキサン）で精製する（5.5 g, 75%）。これから1 g（3.1 mmol）をはかり取り，室温でテトラヒドロフラン（4 mL）に溶解し，フッ化セシウム（193 mg, 1.27 mmol）を加える。この溶液に，2,2,2-トリフルオロエタノール（320 mg, 3.2 mmol）をテトラヒドロフラン（2 mL）に溶かしたものを滴下する。反応溶液を17時間撹拌し，減圧濃縮する。残渣をジクロロメタンに溶解し，不溶物を濾過で取り除き，濾液を乾燥して濃縮すると，目的物（616 mg, 82%）が無色油状物として得られる。