近年,椎名らは2-メチル-6-ニトロ安息香酸無水物(1)を用いる方法を報告しています。トリエチルアミン,触媒量の4-ジメチルアミノピリジン,1を溶媒に溶解し,次いでカルボン酸を加え,攪拌し,最後にアルコールを加えて室温で攪拌することで,目的とするエステル(エステルA)を高収率で得ています。この脱水縮合剤1のニトロ基はエステル化反応を促進させ,室温下でのエステル化を容易にしています。そして,ベンゼン環の2つのオルト位に置換基を導入することにより副生成物(エステルB)の生成を制御しています。これら2つの効果が相乗的に働き,目的とするエステルを高収率かつ高純度で得ることができます。この反応は分子内エステル化反応にも応用でき,高収率でラクトンを得ることができます。
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