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ポリマー/高分子半導体ビルディングブロック

ポリアセチレンのような共役系高分子は、π共役により導電経路を有するものの、金属のような自由電子(キャリア)がないため半導体~絶縁体の性質を示します。しかし1977年に白川、MacDiarmid、Heegerらは、絶縁性のポリアセチレンに臭素をドープすることで、金属にも劣らない導電性が得られることを見出しました1)。その後、導電性高分子に関する研究が飛躍的に発展し、代表的なものは電子機器向けに実用化されています。
1990年代になると、ポリフェニレンビニレン(PPV)のエレクトロルミネッセンスが報告され、高分子半導体を用いた有機EL材料の研究が盛んに行われるようになりました2)。PPVなどの発光ポリマーはLEPとも呼ばれ、化学ドープを施していないπ共役高分子の半導体的な性質が利用されています。ポリマーの化学構造を変えることで、様々な発光色を作り出すことができます。例えば、ポリフルオレン(PFO)系は青色発光3)、PPV系は緑色発光4)、レジオランダム構造を有するポリ(3-オクチルチオフェン)(P3OT)などは赤色発光を示します5)
近年の有機エレクトロニクスの研究では、チオフェンなどの硫黄原子を含有するポリマーが盛んに利用されています。ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)は、導電性高分子の応用例であるコンデンサや有機トランジスタ、有機EL素子のホール輸送材料、二次電池などに用いられており、他にもアクチュエータやセンサ、熱電変換素子などにも応用研究が展開されています6,7)。またPEDOTとポリ(スチレンスルホン酸)を混合したPEDOT/PSSは、有機薄膜太陽電池(OPV)のホール輸送層としても広く用いられています8)。同様にチオフェン系ポリマーであるポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT)は、PCBMなどのフラーレン化合物とブレンドすることでバルクヘテロ接合を形成しやすく、OPVのp型半導体(光吸収層)として幅広く利用されています9)
一方、一部のチオフェン系ポリマーは電子密度が高いため、最高被占軌道(HOMO)のエネルギー準位が高く、電気化学的な酸化反応に対して敏感なことが欠点として挙げられます。しかし、電子密度の高いモノマー(ドナー)と電子密度の低いモノマー(アクセプター)を組合せることで、HOMOのエネルギー準位を下げることができ、外部環境に安定なドナー・アクセプター型(DA型)ポリマーを作成することが可能です10-12)。また、DA型構造にすることで光吸収層である導電性ポリマーのバンドギャップが小さくなり、長波長の光吸収が可能となることの他に、pドープおよびnドープが可能な両極性ポリマーとなることも知られています13,14)

参考文献

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