●ステロイドホルモン:エストラン・アンドロスタン・プレグナン骨格
ステロイドの中には生体内でホルモンとして働く化合物が知られています。その骨格はエストラン型,アンドロスタン型,プレグナン型の3つがあり,構造と機能に密接な関係があります(表1)。プレグナン型ステロイドは生理作用の面からコルチコイド(副腎皮質ホルモン)とプロゲストーゲン(黄体ホルモン)との2つに分類することができます。以下にステロイドホルモンの分類と代表的な化合物を示します。
自然のコルチコイド(副腎皮質ホルモン)であるコルチゾンの構造をもとに化学合成されたデキサメタゾン,プレドニゾロンは抗炎症剤として用いられています。
また,プロゲストーゲン(黄体ホルモン)であるプロゲステロンは排卵抑制作用を示し,この構造をもとに化学合成された19-ノルテストステロン誘導体は経口避妊薬成分として用いられています。
アンドロゲン(男性ホルモン)であるテストステロンは,性ホルモンとしての作用の他に,タンパク質同化作用が知られています。骨密度上昇,筋肉増強剤としてその誘導体はドーピングの規制対象になっているものがあります。エストロゲンの生合成中間体でもあります。
エストロゲン(卵胞ホルモン)は,プロゲストーゲンに微量添加することにより排卵をほぼ完全に抑制できることから,経口避妊薬成分として用いられています。さらに,女性の骨粗鬆症,心筋梗塞,アルツハイマー病の予防に役立つと報告されています。
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