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酵素阻害剤 [生化学試薬]

プロテアーゼは作用機序により(1)セリンプロテアーゼ;(2)システインプロテアーゼ;(3)金属プロテアーゼなどに分類できます1)
セリンプロテアーゼはAEBSF、ベンズアミジンなどによって阻害されます2)。システインプロテアーゼは2-ヨードアセトアミドや2-ヨード酢酸のような、SH基と反応する化合物によって阻害されます3)。金属プロテアーゼはキレート剤であるEDTAや1,10-フェナントロリンによって阻害されます4)
タンパク質の粗分画の際、回収率が悪い原因の一つとして、系内のプロテアーゼによる分解があげられます。これを防ぐために、プロテアーゼ阻害剤を添加して回収率の向上をはかります5)。また、免疫沈降法によるタンパク質の検出の際に、夾雑物であるタンパク質分解酵素により抗原、抗体の分解を防ぐためにもプロテアーゼ阻害剤が用いられます6)。以下に生化学実験で汎用されるプロテアーゼ阻害剤を紹介します。
2-ヨードアセトアミドはチオールプロテアーゼ阻害剤ですが、SH基と不可逆的に反応して共有結合を形成するため、タンパク質粗分画の際に用いることはできません。タンパク質研究では、SH基のアルキル化剤として電気泳動ゲルから切り出した後の質量分析用誘導体化試薬として用いられています7)

参考文献

  • 1) G. G. Guilbault, in Handbook of Enzymatic Methods of Analysis, Clinical and Biochemical Analysis, A series of Monographs and Textbook, ed. by M. K. Schwartz, Marcel Dekker, Inc., New York, 1976.
  • 2) (a) P. Walsmann, M. Richter, F. Markwardt, Acta Biol. Med. Germ. 1972, 28, 577.
    • (b) M. Mares-Guia, E. Shaw, W. Cohen, J. Biol. Chem. 1967, 242, 5777.
  • 3) R. Arnon, Methods Enzymol. 1970, 19, 226.
  • 4) H. Matsubara, Methods Enzymol. 1970, 19, 642.
  • 5) (a) K. Weber, J. R. Pringle, M. Osborn, Methods Enzymol. 1972, 26, 3
    • (b) J. Sambrook, D. W. Russell, in Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd ed., Cold Spring Harbor Labolatory Press, New York, 2001.
  • 6) 基礎生化学実験法第3巻, 日本生化学会編, 東京化学同人, 2001, p. 44.
  • 7) (a) W. R. Gray, in Protein Function: A Practical Approach, 2nd ed., ed. by T. E. Creighton, Oxford University Press, New York, 1997, Chap. 7, p. 165.
    • (b) 第5版実験化学講座29 バイオテクノロジーの基本技術, 日本化学会編, 丸善, 2006, p. 275.
  • 8) (a) 阻害剤活用ハンドブック, 秋山徹, 河府和義編, 羊土社, 2006.
    • (b) シグナル伝達研究2008-'09, 的場尚, 岡田雅人, 中島元夫編, 羊土社, 2008.

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