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昇華精製による高純度化とFET特性比較:ペンタセン [P2524]
OTS処理によるFET素子最適化 (移動度 1.52 cm2/Vs) についてはこちらをご覧ください。
以下は,当昇華精製品のペンタセンと未昇華のペンタセンでトランジスタ素子の作製および評価を行い,FET性能を比較調査した結果です。
ペンタセンを用いたFET素子作製及び性能評価
n+-Si/SiO2基板 (SiO2 :200nm) を蒸着機にセットし,真空蒸着法によりペンタセンの薄膜 (60 nm) を形成した後,金 (40 nm) を蒸着しソース・ドレイン電極を形成することで,トップコンタクト型OFET素子を作製しました (図1) 。素子評価は,窒素雰囲気下グローブボックス内にて行いました。
図1. Pentaceneを用いたOFET素子構造
グレードの異なる弊社ペンタセン製品の性能比較
作製した素子の特性を図2および表1に示します。
窒素雰囲気下にて測定した結果,未昇華精製品は極めて低い電気物性を示すことがわかりました。一方,昇華精製品であるペンタセン [P0030] ではFET性能の向上が見られ,ホール移動度μmax = 0.29 cm2/Vsが観測されました。さらに,高純度ペンタセン (99.999%) [P2524] では大幅な性能向上がみられ,最も高いホール移動度μmax = 0.39 cm2/Vsが観測されました。他社製品のペンタセンサンプルとの比較においても,弊社高純度ペンタセン (99.999%) [P2524] は特に優れたFET特性を有していることがわかります (図3,表2) 。
また,OFETデバイスの最適化を行った結果では,OTS処理により更なる性能向上が見られ,ホール移動度 μmax = 1.52 cm2/Vsの極めて良好なFET変調も観測されています (OTS処理によるFET素子最適化について) 。
以上の結果から,社内昇華精製法にて得られた高純度ペンタセン (99.999%) [P2524] は,トランジスタ素子評価により高性能かつ安定した電気的特性を有していることが確認できました。
図2. グレードの異なるPentaceneによるOFET伝達特性
昇華精製品の高純度ペンタセン (99.999%) [P2524]と他社姓ペンタセンの性能比較
図3. 他社製ペンタセンのOFET伝達特性
弊社では,高純度,高品質な材料を提供するべく日々努力しております。 今後も多種多様なトランジスタ材料を製造・社内評価し, 実際の素子特性を取得・解析することで材料の品質をさらに高めてまいります。