Maximum quantity allowed is 999
注文本数を選んでください。
多様な反応性を示すトリフルオロメチルチオ化剤 TTST
No.197(2024/11発行)
トリフルオロメチルチオ基はフッ素系置換基の中でも特に大きな疎水性パラメータをもつことが知られています1)。このため、創薬研究における物性改善のために、様々な合成法や試薬が開発されていますが、安定性や汎用性の面で課題が残されていました2)。
TTST (1)は梅本らによって開発された新規トリフルオロメチルチオ化剤です3)。1は空気中で安定な液体であるため取り扱い易く、反応条件に応じて3種類の活性種 (カチオン種、アニオン種、ラジカル種)を発生させることができます。そのため、多様な反応性を示します。例えば電子豊富な芳香環や活性メチレン化合物の求電子的トリフルオロメチルチオ化、銅を用いたヨウ化アリールの求核的トリフルオロメチルチオ化、およびアルケンのラジカル的トリフルオロメチルチオ化等の様々な反応に利用できます。また、試薬に対して導入される基 (-SCF3)の割合が大きいため、1由来の廃棄物が少なく、原子効率が高いことも特長です。

文献
- 1) "Aromatic" Substituent Constants for Structure-Activity Correlations
- 2) Synthetic Methods for Compounds Having CF3−S Units on Carbon by Trifluoromethylation, Trifluoromethylthiolation, Triflylation, and Related Reactions
- 3) Preparation and Reactivity Study of a Versatile Trifluoromethylthiolating Agent: S-Trifluoromethyl Trifluoromethanesulfonothioate (TTST)
関連製品
掲載されている情報は、ご覧の「TCIメール」発行当時のものです。ご注文の際には最新情報をご覧ください。
また、地域等によって販売製品が異なります。製品詳細ページが表示されない場合は、販売は行っておりませんのでご了承ください。