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空気中でハンドリング容易な新しいアルケンのエポキシ化剤:Triazox
Triazox (1)は、国嶋らにより開発されたm-クロロ過安息香酸 (mCPBA)に代わる新しい酸化剤です。mCPBA同様、天然物ならびに医薬品中間体に含まれる重要な化学構造の一つであるエポキシ骨格を構築することができます。一方、mCPBAはその潜在的な爆発性により、一般的には含水状態で市販されていますが、1は熱や衝撃に対して安定であり、空気中で取り扱える結晶水を含まない高純度な結晶性固体です。多くの場合、基質に対して小過剰の1を室温にて作用させることにより対応するエポキシ化合物を得ることができます。反応による副生物 (4)はほぼ中性 (pKa: >6.59)のため、酸や塩基に不安定な基質にも適用可能です。また、反応後はろ過操作のみで4を除くことができ、分液操作を必要としない点も本製品の利点です。
TCI反応実例: 1を用いたアルケン2のエポキシ化反応
2 (300 mg, 1.90 mmol, 1.0 equiv.)のジクロロメタン (10 mL)溶液に1 (553 mg, 2.08 mmol, 1.1 equiv.)を室温で加え、室温で3時間撹拌した。2-メチル-2-ブテン (2.0 mL, 19.0 mmol, 10.0 equiv.)を加えて室温で15分間撹拌し、余剰の1を反応させた。ヘキサン (10 mL)を加え、氷浴下で5分撹拌してろ過し、ろ液を減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー (酢酸エチル:ヘキサン = 1:19 - 1:9)で精製すると、3 (297 mg,収率90%)が無色油状物として得られた。
文献
- 1) An Isolable and Bench-Stable Epoxidizing Reagent Based on Triazine: Triazox
- 2) meta-Chloroperbenzoic acid (mCPBA): a versatile reagent in organic synthesis
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