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高い光透過性と安定性を備えた導電性ポリマーの原料モノマー
導電性ポリマーは,帯電防止材料,電極材料,蓄電池材料などの用途が期待されています1)。PEDOT/PSSを始めとする導電性ポリマーは,高い電気伝導率を持たせるために化学的にドープされている必要があります。しかし,化学ドープされたπ共役ポリマーは可視光領域での光透過性に乏しいこと,ドーピングの添加量により導電性能が変化しやすいこと,ドーパントの添加により材料とデバイスの安定性を低下させることが懸念されます。そこで,ドーピングなしで高い導電率を示し,かつ,電気的に中性のポリマーを開発することは,これらの問題を解決する糸口となります。
さて,TEMPOなどの開殻構造をペンダントに有する有機ラジカルポリマーは,その高い電気的性能から近年注目を集めています。そこでBoudourisらは,4-グリシジルオキシTEMPO (1)をアニオン開環重合させて,有機ラジカルポリマーPTEO (poly(4-glycidyloxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine-1-oxyl))を開発しました2)。PTEOは他の有機ラジカルポリマーに比べて1,000倍もの導電性を示し,可視領域の光透過性が高いことが明らかとなりました。そのため,これらラジカルポリマーから作られるフィルムは,高い光透過性と安定性を備えた導電性材料になることが期待されます。
文献
- 1) Synthesis and characterization of radical-bearing polyethers as an electrode-active material for organic secondary batteries
- 2) A nonconjugated radical polymer glass with high electrical conductivity
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