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準平面型ホール輸送材料: HN-D
No.169(2016/04発行)

有機エレクトロニクスデバイスは,その構造に応じて電荷輸送の方向が異なります。移動度の高い優れた有機半導体材料の開発も重要ですが,電荷輸送効率を目的の方向に高めるには,固体状態における分子配列の制御も重要だと考えられます。従来の有機半導体材料には,結晶性の高い剛直な平面型構造の分子が,非晶質の材料には,ねじれたプロペラ型構造の分子が用いられてきました。
若宮らは,従来から知られているプロペラ型構造のN,N,N′,N′-テトラフェニルベンジジン誘導体のフェニル基の間にエーテル架橋した構造を導入し,平面型とプロペラ型の中間的な準平面型分子(1,2)を開発しました1,2)。これらの分子は準平面型構造を持つことで,結晶中で分子が1次元方向に積層したon-top π スタック構造を形成します。結晶中では分子の積層方向に高い移動度を示すとともに,非晶質膜中でも電荷移動特性に大きな異方性を示します。準平面型構造をもつ1および鵜は2は,非晶質膜でも基板に垂直方向に分子が重なった配列構造を保つと考えられます。すなわち,基板に対し垂直方向に高い電荷輸送特性を示す有機太陽電池および有機EL素子の材料として期待されています。

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文献
- 1)A. Wakamiya, H. Nishimura, T. Fukushima, F. Suzuki, A. Saeki, S. Seki, I. Osaka, T. Sasamori, M. Murata, Y. Murata, H. Kaji, Angew. Chem. Int. Ed. 2014, 53, 5800.
- 2)若宮淳志, 西村秀隆, 村田靖次郎, 福島達也, 梶弘典, 国立大学法人京都大学, 特許第5591996号.
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