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抗腫瘍性白金錯体化合物 / Platinum Coordination Complexes as Antitumor Agents
No.152(2012/01発行)
1960年代に始まった抗腫瘍性白金錯体化合物の探索により高い抗腫瘍活性を示したシスプラチンが報告され,1978年にはFDAに承認されました。さらに,シスプラチンの副作用軽減や薬物耐性問題の解決を目的とした改良版であるカルボプラチンとオキサリプラチンが合成されました1,2)。
白金錯体が腫瘍細胞に拡散すると,まず加水分解により塩素原子またはカルボキシレート基が脱離して白金錯イオンを生じます。この白金錯イオンはDNAのグアニンN7位へ配位します。続いて,残りの塩素原子またはカルボキシレート基の脱離を経由し,他のグアニンへのイントラストランド架橋が起こり[Pt(NH2R)2]2+—DNA複合体を生成します(図1,2)3)。そのためDNAらせん構造に歪みが生じ,DNA複製が阻害され,最終的に腫瘍細胞のアポトーシスを誘発します1c)。
図1. グアニンN7位への[Pt(NH2R)2]2+配位
図2. [Pt(NH2R)2]2+ 1,2-d(GpG) イントラストランド架橋を含むDNA
文献
- 1)1) Reviews of discovery and development of platinum complexes
- a)G. Mathé, Y. Kidani, M. Segiguchi, M. Eriguchi, G. Fredj, G. Peytavin, J. L. Misset, S. Brienza, F. de Vassals, E. Chenu, C. Bourut, Biomed. Pharmacother. 1989, 43, 237.
- b)L. R. Kelland, S. Y. Sharp, C. F. O’Neill, F. I. Raynaud, P. J. Beale, I. R. Judson, J. Inorg. Biochem. 1999, 77, 111.
- c)D. Wang, S. J. Lippard, Nat. Rev. Drug Discov. 2005, 4, 307.
- d)S. Trzaska, Chem. Eng. News 2005, 83, 3.
- 2)2) A review of platinum resistance: the role of DNA repair pathways
- 3)3) The structure of the DNA duplex containing cisplatin
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