新しいカーボンナノリング材料 / New Carbon Nanoring Material

　シクロパラフェニレン（CPP）はベンゼンがパラ位で環状に繋がった化合物で，最短カーボンナノチューブ構造（カーボンナノリング）と見なすことができます。2009年，名古屋大学の伊丹らによって，ベンゼン12個からなる[12]シクロパラフェニレン（1）の合成が初めて報告され，各種エレクトロニクス材料，ホスト分子材料などへの応用が期待されています^1a)。また，1を“テンプレート”として用い，チューブを伸長させることによる，直径と側面構造が明確に定まった“純正カーボンナノチューブ”の精密合成への応用が検討されています^1b,2)。