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TTMSS基導入試薬 / Reagent for Introduction of the TTMSS Group

 クロロトリス(トリメチルシリル)シラン(1)はトリス(トリメチルシリル)シリル基(TTMSS基)の導入試薬で,DMAPの存在下,第一級および第二級アルコールと反応し,高収率で保護体のTTMSSエーテルを与えます1)。TTMSSエーテルはグリニャール試薬や酸化,酸性条件等のほか,通常のシリル基の脱保護に用いられるフッ化セシウム等に対しても安定で,光(254 nm)やTBAF等を作用させることによって脱保護されます。
 また,シリルエノールエーテルを用いた向山クロスアルドール反応2)やアクリル酸エステルとの[2+2]環化反応3)において,TTMSS基を導入することにより,高収率かつ高ジアステレオ選択的に目的物が得られることが報告されています。
実験例: アルコールの保護1)
クロロトリス(トリメチルシリル)シラン (1, 1-1.2 mmol) のジクロロメタン溶液 (1 M) をアルコール (1 mmol) と4-ジメチルアミノピリジン(DMAP, 1.20 mmol) のジクロロメタン溶液に撹拌しながら加える。窒素下,室温で終夜撹拌する。水を加え,水層をジクロロメタンで抽出する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し,ろ過後,溶媒を減圧下留去する。フラッシュクロマトグラフィーで分離することにより,目的物が収率80-90%で得られる。

文献

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