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2-置換アデノシン合成の有用な中間体 / A Valuable Synthetic Intermediate for 2-Substituted Adenosine
No.148(2010/10発行)
アデノシン誘導体は細胞の代謝作用でしばしば大きな役割を担い,また抗ウイルス活性や抗腫瘍活性の報告例もある化合物です。2-ヨードアデノシン(1)は2-置換アデノシン誘導体の合成中間体として利用されている有用な化合物です。特に,クロスカップリング反応を利用したアデノシン誘導体合成が数多く報告されています。松田らはパラジウム触媒クロスカップリング反応を用いた2-アルキニルアデノシン類の合成と,これらの薬理活性評価を報告しています1)。ZhaoとBarangerはHeck反応を用いた2-アルケニルアデノシンの合成を報告しています2)。
実験例1c):
2-ヨードアデノシン (1, 393 mg),およびCuI (9.5 mg),ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド (36 mg),トリエチルアミン (0.16 mL),エチニルベンゼン (123 mg) をDMF (7 mL) に加え,80 ℃で1時間加熱する。2-ヨードアデノシンが完全に消費された後に反応液を減圧濃縮する。残渣をクロロホルムに溶解し,硫化水素ガスを (~30秒),次いで窒素ガスを吹き込む。この懸濁液をセライトパッドで濾過し,クロロホルムで洗浄する。ろ液を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール-クロロホルム)で精製することにより2-(フェニルエチニル-1-イル)アデノシン (373 mg, 97%) が得られる。
2-ヨードアデノシン (1, 393 mg),およびCuI (9.5 mg),ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド (36 mg),トリエチルアミン (0.16 mL),エチニルベンゼン (123 mg) をDMF (7 mL) に加え,80 ℃で1時間加熱する。2-ヨードアデノシンが完全に消費された後に反応液を減圧濃縮する。残渣をクロロホルムに溶解し,硫化水素ガスを (~30秒),次いで窒素ガスを吹き込む。この懸濁液をセライトパッドで濾過し,クロロホルムで洗浄する。ろ液を減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール-クロロホルム)で精製することにより2-(フェニルエチニル-1-イル)アデノシン (373 mg, 97%) が得られる。
文献
- 1)Cross-coupling reaction with terminal alkynes
- 2)Cross-coupling reaction with terminal alkenes (Heck reaction)
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