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不斉Baylis-Hillman反応触媒 / A Catalyst for Asymmetric Baylis-Hillman Reaction
No.146(2010/04発行)
シンコナアルカロイドであるβ-イソクプレイジン(1)は不斉Baylis-Hillman反応の触媒として高い不斉誘起能を示します。アルデヒドとアクリル酸1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル(HFIPA)を0.1当量の触媒存在下反応させることで,付加体を良好な光学純度で得ることができます1)。
1は以下のような不斉アザ-Baylis-Hillman反応にも利用されています2)。
実験例:2の合成1)
ベンズアルデヒド (1.0 mmol) とβ-イソクプレイジン (1, 0.1 mmol) のDMF (1 mL) 溶液を−55 ℃に冷却し,HFIPA (1.3 mmol) を加える。−55 ℃で48時間撹拌した後,0.1 M塩酸を加えて反応を停止させる。反応混合物を酢酸エチルで抽出し,有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液,飽和食塩水で順次洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥し,減圧濃縮後,シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン-酢酸エチル) で精製し,2 (Y. 75%, 97% e.e.) が得られる。
ベンズアルデヒド (1.0 mmol) とβ-イソクプレイジン (1, 0.1 mmol) のDMF (1 mL) 溶液を−55 ℃に冷却し,HFIPA (1.3 mmol) を加える。−55 ℃で48時間撹拌した後,0.1 M塩酸を加えて反応を停止させる。反応混合物を酢酸エチルで抽出し,有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液,飽和食塩水で順次洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥し,減圧濃縮後,シリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン-酢酸エチル) で精製し,2 (Y. 75%, 97% e.e.) が得られる。
※本品は空気中の水分を吸収して,反応の収率が低下することが知られています。製造・出荷時には細心の注意を払っておりますが,思わしくない結果が得られた場合,本品をテトラヒドロフランに溶解し,減圧下水を共沸で除去することにより好結果が得られることがあります。
文献
- 1)β-Isocupreidine-hexafluoroisopropyl acrylate method for asymmetric Baylis-Hillman reaction
- 2)Catalytic, asymmetric aza-Baylis-Hillman reaction of N-sulfonated imines with activated olefins by quinidine-derived chiral amines
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また,地域等によって販売製品が異なります。製品詳細ページが表示されない場合は,販売は行っておりませんのでご了承ください。
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