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ホスフィン配位子 / for Preparation of Large Bite Angle Metal Complexes
No.134(2007/04発行)

1は二座ホスフィン配位子としてパラジウム,ロジウムなどの遷移金属と安定な錯体を形成します。この錯体はP-金属-Pの大きな結合角を持ち,選択性の高い触媒として有機合成に多用されています。

例えば,Kranenburgらは,種々の二座ホスフィン配位子とパラジウムの存在下,酢酸2-ヘキセニルとマロン酸ジエチルのカルバニンのアリル位アルキル化反応を行い,二座ホスフィン配位子の違いによる反応性を比較検討しています。それによれば,1を配位子として用いたパラジウム錯体触媒が最も大きなP-Pd-Pの結合角を持ち,その選択性は極めて高く,ジエチル 2-(2-ヘキセン-1-イル)-2-メチルマロナート(3)のみが生成し,ジエチル 2-(1-ヘキセン-3-イル)-2-メチルマロナート(4)は副生しないと報告しています1)。また,Kranenburgらは1とロジウムから成る錯体を触媒とする1-オレフィンのヒドロホルミル化反応において,高選択的にn-アルデヒドが生成することを報告しています2,3)。

一方,Sandeeらは2を出発物質としてシリカゲル担持ロジウム錯体触媒5を合成しています。この5は1とロジウムから成る錯体触媒と同程度のP-Rh-Pの結合角を持ち,しかも目的物の単離,再利用が容易な触媒として高選択的なヒドロホルミル化などに用いられています4)。
文献
- The effect of the bite angle of diphosphine ligands
- 1)M. Kranenburg, P. C. J. Kamer, P. W. N. M. van Leeuwen, Eur. J. Inorg. Chem. 1998, 25.
- 2)M. Kranenburg, Y. E. M. van der Burgt, P. C. J. Kamer, P. W. N. M. van Leeuwen, K. Goubitz, J. Fraanje, Organometallics 1995, 14, 3081.
- 3)L. A. van der Veen, P. H. Keeven, G. C. Schoemaker, J. N. H. Reek, P. C. J. Kamer, P. W. N. M. van Leeuwen, M. Lutz, A. L. Spek, Organometallics 2000, 19, 872.
- 4)A. J. Sandee, J. N. H. Reek, P. C. J. Kamer, P. W. N. M. van Leeuwen, J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 8468.
- 1)M. Kranenburg, P. C. J. Kamer, P. W. N. M. van Leeuwen, Eur. J. Inorg. Chem. 1998, 25.
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