アレーンルテニウム(II)錯体1は,Ruを中心金属に有する不斉触媒を調製する際の安定な前駆体として知られています。例えば,1を用いた錯体としてはBINAP-Ru(II)やPybox-Ru(II)などがあり,それぞれケトンの不斉還元1)やオレフィンの不斉シクロプロパン化2)においてその有用性が報告されています。
最近,野依らは1と光学活性アミン2から調製される触媒3が,カルボニルやイミン類の水素移動型還元反応による不斉水素化に極めて有効であることを見いだし,対応する光学活性アルコール3),光学活性アミン4)を高い不斉収率で得ています。
この種の還元反応には,水素を用いる水素化反応とアルコールやギ酸などを水素源とする水素移動型還元反応が知られていますが,後者は,耐圧容器を必要としないため操作性に優れている方法として注目されています。
Maximum quantity allowed is 999
注文本数を選んでください。
アレーンルテニウム(II)錯体 / Arene Ruthenium(II) Complexes
No.107(2000/07発行)

文献
- 1)Convenient preparation of BINAP-Ru(II) complexes
- 2)Chiral ruthenium bis(oxazolinyl)pyridine catalyst
- 3)Asymmetric transfer hydrogenation of α,β-acetylenic ketones
- 4)Asymmetric transfer hydrogenation of imines
掲載されている情報は,ご覧の「TCIメール」発行当時のものです。ご注文の際には最新情報をご覧ください。
また,地域等によって販売製品が異なります。製品詳細ページが表示されない場合は,販売は行っておりませんのでご了承ください。
また,地域等によって販売製品が異なります。製品詳細ページが表示されない場合は,販売は行っておりませんのでご了承ください。