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オレフィンメタセシス触媒 / Olefin Metathesis Catalyst

No.104(1999/10発行)
B2036
(Benzylidene)bis(tricyclohexylphosphine)ruthenium(IV) Dichloride (1)
 近年,金属カルベン錯体を触媒として用いるオレフィンメタセシス反応が注目を集めています。メタセシスとは,オレフィン2分子間でアルキリデン基の交換が起こる反応を指します。
 1995年,Grubbsらはメタセシス触媒として本品1を開発しました1)。本品1は従来のメタセシス触媒と比べ,空気中の酸素や湿度に対し安定であることや,種々の官能基の存在に対して不活性であるといった特長があります。本品1を用いた反応は,その反応形態から閉環メタセシス反応,開環メタセシス反応などに分けられます。
 本品1を触媒として用いた合成例は多数報告されており2),生理活性物質合成への利用も盛んに行われています。例えば,平間,大石らは本品1をポリ環状エーテルの合成に3),NicolaouらはエポチロンAおよびBの合成に利用しています4)

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