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ケムステ記事ピックアップ — 歪み促進逆電子要請型Diels-Alder反応 SPIEDAC reaction

歪み促進逆電子要請型Diels-Alder反応 SPIEDAC reaction

概要

テトラジンやトリアジンなどの極めて電子不足な複素環は、ノルボルネン・trans-シクロオクテン・シクロオクチンといった歪C-C多重結合化合物に対して高い反応性を示します。

この歪み促進逆電子要請型Diels-Alder反応(Strain-Promoted Inverse Electron-demand Diels-Alder Cycloaddition, SPIEDACは、様々な官能基が共存しても選択的に進行する「クリックケミストリー」の特性を備え、生体共役反応として用いられています。他の反応と比べても、金属触媒などを必要とせず、圧倒的に高速なことが最大の特徴です。

基本文献

【review】

【applications to in vivo Click Chemistry】

反応機構

Diels-Alder反応の項目も参照。

Diels-Alder反応

SPAAC反応がおよそk = 10-2 - 10-1 M-1s-1程度であることに比べ、テトラジンSPIEDAC反応はk = 1 - 106 M-1s-1と極めて高速に進行することが特徴です。大まかな傾向としては、テトラジンが電子不足で立体障害が少ないほど、またアルケン・アルキン側の歪みが大きいほど反応速度は大きくなります(下図:Synthesis 2017, 49, 830より引用・改変)。ただし反応の速い分子は不安定でもあり、生体系のシステインなどと反応して壊れて行きやすいです。

Diels-Alder反応

反応例

生細胞内Click反応への応用1):細胞内反応への活用のためには104M-1s-1以上の速度定数が必要とされます(μM-nM濃度で数分以内に完結する速度)が、本反応はこの基準に適します。Mehlらはテトラジン部位を備えた細胞内GFPに対し、trans-シクロオクテンを反応させて速度定数を見積もっています2)。また細胞内RNAを標的にした変換も検討されています3)

生細胞内Click反応への応用

直交型SPIEDAC反応4):Lemkeらは、シクロオクチンは立体障害を理由に1置換テトラジンと優先的に反応し、trans-シクロオクテンは1置換・2置換テトラジン両者とも反応することを見いだしています。これを利用して連続的な直交的生体ラベル化を達成しています。

直交型SPIEDAC反応

化学decagingへの応用5):下図のように、カルバメート型trans-シクロオクテンはテトラジンとの生体直交反応により脱離を引き起こし、アミンを露出させます。この反応を利用して、低分子プロドラッグ化6)抗体―薬物複合体の薬物リリース7)、細胞内酵素活性化目的8)などにも活用されています。

化学decagingへの応用

参考文献

Chem-Stationについて

本記事は、webに混在する化学情報をまとめ、それを整理・提供する化学ポータルサイト“Chem-Station”のご協力のもとに提供しています。

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