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TCI反応実例:可視光レドックス触媒を用いた分子間[2+2]付加反応

Ru(phen)3(PF6)2を可視光レドックス触媒として用いた、エノアートとオレフィンの[2+2]付加反応をご紹介します。

TCI反応実例:可視光レドックス触媒を用いた分子間[2+2]付加反応

使用した化学品

実施手順

3頚フラスコを窒素置換し、化合物1 (0.1 g, 0.5 mmol, 1 eq.)、1,1-ジフェニルエチレン (0.2 g, 1 mmol, 2 eq.)、Ru(phen)3(PF6)2 (0.009 g, 0.01 mmol, 2 mol%)、脱気したアセトン (12.5 mL)を加えた。Blue LEDランプをフラスコから2-3 cm程度離して設置し、室温で19時間照射しながら攪拌した。反応終了後、減圧下濃縮することで粗生成物 (0.32 g, 橙色液体)を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 10:1, Rf =0.57)で精製すると、化合物2 (0.12 g, 収率60%)が無色粘性固体として得られた。

実施者コメント

  • アセトンは使用前に30分間脱気してから使用した。
  • 光源はKessil A160WE Tuna Blue 40Wを二つ使用した。
  • 反応溶液は冷却ファンを用いて室温付近で攪拌を行った。
  • 反応溶液は1H NMRとTLCでモニタリングした。

分析データ

化合物2

1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 7.33−7.27 (m, 4H), 7.20−7.12 (m, 4H), 7.00−6.98 (m, 2H), 6.83−6.78 (m, 4H), 4.54 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.28−4.01 (m, 3H), 3.49-3.36 (m, 1H), 2.66 (t, J = 10.5 Hz, 1H),1.20 (t, J = 7.3 Hz, 3H).

13C NMR (101 MHz, CDCl3); δ 193.4, 161.8 (d, JC‑F = 247.49 Hz), 161.3, 161.0, 150.0, 140.8, 133.8 (d, JC‑F = 2.9 Hz), 130.3 (d, JC‑F = 7.7 Hz), 128.5, 128.4, 128.0, 126.4, 126.1, 114.6 (d, JC‑F = 21.1 Hz), 62.5, 53.6, 52.9, 44.0, 33.7, 14.5.

19F NMR (376 MHz, CDCl3); δ -116.39 (s, 1F).

先行文献

その他の参考文献

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