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TCI反応実例:有機リン触媒を用いる還元的C-Nクロスカップリング
anti-1,2,2,3,4,4-ヘキサメチルホスフェタン 1-オキシドを有機触媒として用いた,ニトロアレーンとアリールボロン酸の還元的C-Nクロスカップリングによる二級アリールアミンの合成をご紹介します。
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使用した化学品
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実施手順
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50 mL三頸フラスコに1-ブロモ-2-ニトロベンゼン (2.006 g, 9.931 mmol, 1.0当量), フェニルボロン酸 (1.332 g, 10.92 mmol, 1.1当量)およびanti-1,2,2,3,4,4-ヘキサメチルホスフェタン 1-オキシド (0.259 g, 1.49 mmol, 0.15当量)を加え, シュレンクラインを用いて3回アルゴン置換した。ここに脱水CPME (20 mL)およびフェニルシラン (2.4 mL, 20 mmol, 2.0当量)を加え, アルゴン雰囲気下で4時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し, 1 mol/L NaOH水溶液 (40 mL)で洗浄した。有機層を分液後, 水層を酢酸エチル (20 mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水 (20 mL)で洗浄し, 無水硫酸ナトリウムで乾燥後, 減圧下で濃縮することで無色透明の油状物を得た。得られた粗製をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒: ジクロロメタン/酢酸エチル/ヘキサン, 20/1/79)で精製すると, 化合物 1 (2.20 g, 89.3%)が白色粉末として得られた。
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実施者コメント
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反応溶液はGCでモニタリングした。
CPMEは,使用前にMS4Aで脱水した。
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分析データ
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化合物 1
1H NMR (400 MHz, CDCl3); δ 7.54 (dd, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 7.32–7.36 (m, 2H), 7.26–7.28 (m, 1H), 7.16–7.18 (m, 3H), 7.06 (t, J = 7.3 Hz), 6.75 (ddd, J = 7.8, 7.3, 1.4 Hz), 5.79 (brs, 1H).
13C NMR (101 MHz, CDCl3); δ 141.7, 141.5, 133.1, 129.6, 128.2, 122.8, 121.0, 120.4, 115.9, 112.3.
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先行文献
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- An Improved PIII/PV=O-Catalyzed Reductive C–N Coupling of Nitroaromatics and Boronic Acids by Mechanistic Differentiation of Rate- and Product-Determining Steps
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その他の参考文献
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- Intermolecular Reductive C–N Cross Coupling of Nitroarenes and Boronic Acids by PIII/PV=O Catalysis