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有機触媒を用いたビニルボランの光異性化反応

MolloyとGilmourらは,ビニルボランの光異性化反応を報告しています1)。それによると,光触媒としてチオキサントンを添加してビニルボランに可視光を照射すると,反応が速やかに進行して異性化体が良好な収率で得られます。この反応はカルボニル基もホウ素部位も必須で,どちらが欠けても異性化はほとんど進行しないことがわかっています。そのため,オレフィン選択的な異性化反応も可能です。得られた成績体は鈴木-宮浦クロスカップリング反応や立体選択的なDiels-Alder反応にも適用でき,レチノイン酸の幾何異性体の合成にも応用されています。オレフィンの光異性化反応は過去にも報告2)がありますが,スチレン誘導体に限られていました。一方,本反応はボロンとカルボニル基以外の制約がほとんどないため,基質汎用性が高いことも特長の一つといえます。

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引用文献

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