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BHA配位子: 光学活性なエポキシアルコール合成に用いられる配位子
(1R,2R)-N,N'-ジヒドロキシ-N,N'-ビス(ジフェニルアセチル)シクロヘキサン-1,2-ジアミン(1)および(1S,2S)-N,N'-ジヒドロキシ-N,N'-ビス(ジフェニルアセチル)シクロヘキサン-1,2-ジアミン(2)はBHA配位子と呼ばれ,不斉エポキシ化反応に用いられます。アリルアルコールにtert-ブチルヒドロペルオキシド(= TBHP)と触媒量のバナジウム-BHA錯体を作用させると,高収率および高いエナンチオ選択性でエポキシアルコール体が得られます1)。この反応は含水条件でも反応が進行するのが特長で,このことが厳密な脱水条件を必要とするSharpless-香月不斉エポキシ化反応と比べて有利といえます。また,金属種をジルコニウムやハフニウムに換えることで,ホモアリルアルコールやビスホモアリルアルコールでも高い不斉収率でエポキシ化反応が進行します2)。このように,BHA配位子は不斉反応の強力なツールになることが期待され,既に両配位子を用いた天然物の全合成研究も報告されています3,4)。
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文献
- 1) Enantioselective Epoxidation of Allylic Alcohols by a Chiral Complex of Vanadium: An Effective Controller System and a Rational Mechanistic Model
- 2) Zirconium(IV)- and Hafnium(IV)-Catalyzed Highly Enantioselective Epoxidation of Homoallylic and Bishomoallylic Alcohols
- 3) Total Synthesis of (−)-Ophiodilactone A and (−)-Ophiodilactone B
- 4) An enantiocontrolled entry to the tricyclic polar segment of (+)-fusarisetin A