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鈴木-宮浦クロスカップリングに利用可能なメチレンユニット
ビス[(ピナコラト)ボリル]メタン(1)は,メチレン鎖に2つのピナコールボロン酸が結合した化合物で,パラジウム触媒を用いることで,2つの異なる置換基を連続的に導入することが可能です。例えばビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)触媒,水酸化カリウム存在下, 1とハロゲン化アリールを室温でカップリングさせるとベンジルボロン酸エステルが選択的に得られます。この反応は,α‐位に水素が置換した臭化アリル,臭化ベンジル類にも適用でき,sp3炭素-sp3炭素結合の形成を伴うカップリング反応が進行します1-3)。また,1にハロゲン化アリールを2段階に分けて反応させると,対称ジアリールメタンが得られます。この時,2つの異なるハロゲン化アリールを用いると非対称ジアリールメタンがワンポットで合成できます4)。さらに,1のメチレン水素にLiTMPを作用させると,脱プロトン化が進行して,引き続くハロゲン化アルキルとの反応によりアルキル基を導入することが可能です。得られた化合物は,キラル配位子を用いることで不斉鈴木‐宮浦クロスカップリング反応への応用が可能です5)。
関連製品
文献
- 1)K. Endo, T. Ohkubo, T. Shibata, Org. Lett. 2011, 13, 3368.
- 2)K. Endo, T. Ohkubo, T. Ishioka, T. Shibata, J. Org. Chem. 2012, 77, 4826.
- 3)K. Endo, T. Ishioka, T. Shibata, Synlett 2014, 25, 2184.
- 4)K. Endo, T. Ishioka, T. Ohkubo, T. Shibata, J. Org. Chem. 2012, 77, 7223.
- 5)C. Sun, B. Potter, J. P. Morken, J. Am. Chem. Soc. 2014, 136, 6534.