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免疫系における重要な転写因子NF-κBの阻害剤

NF-κB(nuclear factor kappa B)は,1986年にD. Baltimoreらによって発見された1)遺伝子の発現を調節する細胞内のタンパク質複合体です。NF-κB は通常IκB(Inhibitor κB)と複合体を形成した不活性化状態で細胞質内に局在しています。細胞外シグナルにより活性化されたIKK (IκBキナーゼ)はIκBαをリン酸化し,次いでプロテアソームによってIκBαは分解されます。これによりNF-κBは核内移行して,炎症免疫応答関連分子やアポトーシス抑制分子,細胞増殖抑制分子などの発現を誘導します2)
BAY 11-7082はIKKによるIκBαのリン酸化を阻害する小分子です3)。NF-κBの活性化を阻害することから,がんや炎症性疾患,ウイルス感染などの研究に利用されています4-7)

T2846

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