ナリンギンはグレープフルーツなどに含まれるフラボノイドの一種で,ナリンゲニンの配糖体に当たります。ナリンギンには抗アテローム性動脈硬化作用,抗酸化作用,抗炎症作用が報告されています。
阪本らは固定化リパーゼを用いて,ナリンギンの糖部位を様々な長さの脂肪酸でアシル化し,得られたナリンギン脂肪酸エステルの抗炎症作用を調べています。その報告によると,炭素数12の脂肪酸をアシル化させたナリンギンラウリン酸エステルが,ネズミ科のマクロファージにおいて最もリポ多糖(LPS)誘導の一酸化窒素(NO)産生を阻害します。また,ナリンギンラウリン酸エステルは核内因子κB(NF-κB) 阻害タンパク質のリン酸化をブロックすることで,誘導型NO合成酵素(iNOS)の発現量を抑制することが明らかになっています。
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