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アロラクトース

lacオペロンとアロラクトースの役割

lacオペロンは、大腸菌(Escherichia coli)においてラクトースを分解・利用するための遺伝子群の調節機構です。このオペロンは、原核生物における遺伝子発現調節の代表的なモデルとして広く知られており、分子生物学や合成生物学の基礎研究において重要な役割を果たしてきました。lacオペロンは主に3つの構造遺伝子(lacZ, lacY, lacA)と、それらの発現を制御する制御配列(プロモーター、オペレーター、CAP結合部位)から構成されています。このうちlacZはラクトースをグルコースとガラクトースに加水分解するβ-ガラクトシダーゼをコードしてます。通常、LacIリプレッサーがオペレーター領域に結合してRNAポリメラーゼの進行を妨げ、構造遺伝子群の転写を抑制しています。ラクトースが細胞内に取り込まれると、β-ガラクトシダーゼの作用によりラクトースはアロラクトース(Allolactose、製品コード: A2630)へと変換されます。アロラクトースはラクトースのβ(1-6)結合型異性体であり、lacオペロンの天然の誘導因子(inducer)として機能し、アロラクトースがリプレッサーに結合すると、リプレッサーは構造変化を起こしてオペレーターから離れ、lacZlacYlacAの転写が開始されます。

lacオペロン

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発現制御系としてのlacオペロンの応用利用

lacオペロンはその精巧な誘導機構により、目的遺伝子の発現を外部から制御できるツールとして、現在もさまざまな研究・産業分野で活用されています。特に、IPTG(Isopropyl 1-Thio-β-D-galactopyranoside、製品コード:I0328)を用いた人工的な制御系は、発現タイミングや発現量の精密なコントロールを可能にする点で広く普及しています。 IPTGはアロラクトースの構造を模倣して合成された誘導因子であり、リプレッサーに対する強い親和性と良好な細胞透過性を示します1)

Allolactose Isopropyl 1-Thio-β-D-galactopyranoside

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プレバイオティクスとしてのアロラクトース

β-ガラクトシダーゼは、β-ガラクトシド結合を加水分解する酵素です。近年、このβ-ガラクトシダーゼの中でも乳酸菌(Lactic Acid Bacteria; LAB)由来のものに大きな関心が寄せられています。LAB由来のβ-ガラクトシダーゼは、プレバイオティクスの一つであるガラクトオリゴ糖(GOS)の合成において重要な働きを果たしています。GOSの糖鎖構造(糖鎖長、結合型、組成)は、プロバイオティクス腸内細菌による発酵パターンに直接影響を与えることがわかっており、その構造の多様性が腸内環境に与える効果の鍵となっています2)

従来、GOSのプレバイオティクス活性は三糖(GOS-3)や四糖(GOS-4)によって発揮されると考えられていましたが、近年ではβ(1-6) 結合を持つ二糖(例えばアロラクトースやガラクトビオース)もビフィズス菌の増殖を助けるプレバイオティクス活性を示すという結果が報告されています3)

プレバイオティクスとしてのGOSは、腸内環境の改善に加え、免疫機能の調節、アレルギー疾患の予防、皮膚の状態改善など、さまざまな生理学的利点と関連しています。しかしながら、個々のGOS構造とプレバイオティクス活性との具体的な関係についてはあまり解明されていないというのが実情です。これは、GOS混合物から特定の構造の糖鎖を純品として分離するのが困難であり、プレバイオティクス活性の評価もまた混合物を用いた実験に基づく場合が多いためです4)

弊社ではアロラクトースをはじめとする高純度な機能性糖鎖をご提供しています。

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引用文献

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