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有機無機ペロブスカイト原料

東京化成工業は、高純度なペロブスカイト原料を豊富なラインナップでご提供しています。
キログラムレベルへのスケールアップも可能であり、研究・開発を強力にバックアップします。
ペロブスカイトはチタン酸カルシウム(CaTiO3)の鉱物名で、ABO3(Aは2価、Bは4価の金属イオン)で表される化合物をペロブスカイト型化合物と総称しています。正方晶や斜方晶のペロブスカイトは強誘電性を示し、チタン酸バリウム(BaTiO3)が強誘電体や圧電体としてよく知られています1)。また、銅酸化物を基本単位とする酸化物高温超伝導体は、すべてペロブスカイト構造を持っています2)。これらのペロブスカイト型化合物は金属イオンと酸素のみで構成されており、焼結法などの物理的な手法で作成されます3)。焼結の際、金属イオンの種類や比率を変えたり、添加物を加えたりすることで物性が劇的に変化するのがペロブスカイト型化合物の特徴です。また、酸化物だけでなく、金属ハロゲン化物などを成分とするペロブスカイト型化合物も知られています。
一方、ペロブスカイト型化合物の陽イオンの成分を有機アンモニウムに替えることも可能です。この場合、化学的な手法を用いてペロブスカイト化合物を合成できます。このペロブスカイト型化合物には有機成分が含まれていることから、有機無機ペロブスカイト化合物と呼ばれており、金属イオンは主に錫や鉛が用いられます4,5)。一般式で[(RNH3)mMXn]などで表され、金属イオンMやハロゲンX、有機基Rを変えることで、その構造や物性を緻密に制御できます。錫の有機無機ペロブスカイト化合物は電気伝導性に優れ6)、鉛のそれは光物性などに優れています7)。また、ハロゲンを変えるだけでバンドギャップの制御が可能で8)、原料であるハロゲン化有機アンモニウムとハロゲン化金属化合物に含まれるハロゲンの種類および混合比によってハロゲンの含有比を変えることが可能です。有機基Rは、メチル基や長鎖アルキル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基などが利用され、有機物の骨格の多様性が構造の制御に活かされています。例えば、Rがメチル基の場合は[(MeNH3)MX3]の化学組成を持つ3次元の立方晶ペロブスカイト構造を形成します9)。R = CnH2n+1 (n = 2以上)の場合は、2次元ペロブスカイト層を形成し、アルキル鎖の長さに応じて層間の距離が変化します10)。
有機無機ペロブスカイト型化合物の応用例として、ペロブスカイト太陽電池(PSC)が挙げられます11-15)。この太陽電池には、3次元立方晶を有する[(MeNH3)MX3]が主に用いられています。また、この太陽電池におけるペロブスカイト構造には,Aサイトへのホルムアミジニウム16)やセシウム17)の導入についても検討されています。近年盛んに研究されているペロブスカイト太陽電池(PSC)は、他の有機系太陽電池(有機太陽電池(OPV)、色素増感太陽電池(DSSC))のエネルギー変換効率を凌いでおり、溶液塗布による安価な製造プロセスにおいてもデバイスが作成できると期待されています。
東京化成工業のペロブスカイト関連製品 3つの強み
- 高純度
高純度ハロゲン化鉛PbX2 (X = I, Br, Cl) および水分低減した有機オニウム塩(MAIやFAI等)を提供できます。高純度・低水分の材料を用いることで、ペロブスカイト太陽電池のパフォーマンス(太陽電池効率、安定性)が高くなります。高純度のPbX2は極性有機溶媒への溶解度が高く、溶液法による太陽電池デバイスの作成に最適です。
- 豊富な品揃え
各種ハロゲン化鉛PbX2 (X = I, Br, Cl)の他、様々な有機オニウム塩の品揃えがあります。ペロブスカイトのAサイトに複数のカチオンを導入した混合カチオンペロブスカイトは、太陽電池を高効率で安定にすることが報告されています。
- スケールアップ
各種ハロゲン化鉛PbX2 (X = I, Br, Cl)や、主な有機オニウム塩をキログラムスケールで提供できます。材料の大量供給を可能にすることで、太陽電池デバイスの低コスト化や大面積化に貢献します。
参考文献
- 1) E. Sawaguchi, Y. Akishige, M. Kobayashi, J. Phys. Soc. Jpn. 1985, 54, 480.

- 2) Y. Tokura, H. Takagi, S. Uchida, Nature 1989, 337, 345.

- 3) F. S. Galasso, M. Kestigan, Inorg. Synth. 1973, 14, 142.

- 4) D. B. Mitzi, C. A. Feild, W. T. A. Harrison, A. M. Guloy, Nature 1994, 369, 467.

- 5) K. Liang, D. B. Mitzi, M. T. Prikas, Chem. Mater. 1998, 10, 403.

- 6) Y. Takahashi, R. Obara, Z.-Z. Lin, Y. Takahashi, T. Naito, T. Inabe, S. Ishibashi, K. Terakura, Dalton Trans. 2011, 40, 5563.

- 7) N. Pellet, P. Gao, G. Gregori, T.-Y. Yang, M. K. Nazeeruddin, J. Maier, M. Grätzel, Angew. Chem. Int. Ed. 2014, 53, 3151.

- 8) S. A. Kulkarni, T. Baikie, P. P. Boix, N. Yantara, N. Mathews, S. Mhaisalkar, J. Mater. Chem. A 2014, 2, 9221.

- 9) Y. Kawamura, H. Mashiyama, K. Hasebe, J. Phys. Soc. Jpn. 2002, 71, 1694.

- 10) T. Ishihara, J. Takahashi, T. Goto, Phys. Rev. B 1990, 42, 11099.

- 11) A. Kojima, K. Teshima, Y. Shirai, T. Miyasaka, J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 6050.

- 12) J. Burschka, N. Pellet, S.-J. Moon, R. Humphry-Baker, P. Gao, M. K. Nazeeruddin, M. Grätzel, Nature 2013, 499, 316.

- 13) M. Liu, M. B. Johnston, H. J. Snaith, Nature 2013, 501, 395.

- 14) H. Zhou, Q. Chen, G. Li, S. Luo, T.-B. Song, H.-S. Duan, Z. Hong, J. You, Y. Liu, Y. Yang, Science 2014, 345, 542.

- 15) W. S. Yang, J. H. Noh, N. J. Jeon, Y. C. Kim, S. Ryu, J. Seo, S. I. Seok, Science 2015, 348, 1234.

- 16) G. E. Eperon, S. D. Stranks, C. Menelaou, M. B. Johnston, L. M. Herza, H. J. Snaith, Energy Environ. Sci. 2014, 7, 982.

- 17) M. Saliba, T. Matsui, J.-Y. Seo, K. Domanski, J.-P. Correa-Baena, M. K. Nazeeruddin, S. M. Zakeeruddin, W. Tress, A. Abate, A. Hagfeldtd, M. Grätzel, Energy Environ. Sci. 2016, 9, 1989.

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