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液晶(LC)ビルディングブロック
ネマティック液晶材料として最初に登場したシッフ塩基は水分に弱く,次いで登場したアゾキシベンゼン系は光に弱いものでした。そのため,水分や光に対する安定性の向上を意図した研究が盛んに行われ,化学的に安定なフェニルベンゾエート系,シアノビフェニル系化合物が相次いで発表されました。特にシアノビフェニル系は表示素子として必要な性質である低粘性と低電圧駆動性を有しており,数多くのシアノビフェニル類が報告されています。また,低粘性で,高速応答が可能な表示素子としてフェニルシクロヘキサン系液晶が注目されており,さらにこの二環系液晶にベンゼン環やシクロヘキサン環を付加した三環および四環系液晶が開発され,上限温度範囲が拡大されました。実用上の諸物性改善のため,コアにフッ素などを導入した液晶が開発されています。光学活性化合物は,キラルネマティック液晶やキラルスメクティック液晶,ブルー相の成分として重要です。キラルスメクティック液晶の内,反強誘電性液晶は大画面,高精細なディスプレイを実現する次世代液晶材料として,新しい液晶化合物の合成研究が盛んに行われています。
液晶合成のためのビルディングブロックを以下に示します。新規液晶材料の合成,開発にご利用ください。
参考文献
- 1) 北村輝夫, 材料科学 1992, 29, 72.
- 2) 沼田宏, 工業材料 1998, 46, 40.
- 3) 鈴木義一, 機能材料 1995, 15, 8.
- 4) 犬飼孝, 宮沢和利, 液晶 1997, 1, 9.
- 5) G. W. Gray, G. R. Luckhurst, in The Molecular Physics of Liquid Crystal, Academic Press, 1979, pp.1-29, pp.263-284.
- 6) P. G. Gennes, J. Prost, in The Physics of Liquid Crystals, Second Edition, Oxford University Press, 1993.
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