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イオン液体 [特殊合成]

イオン液体はイミダゾリウムイオン,ピリジニウムイオンなどの陽イオンと,BF4-, PF6- などの陰イオンから成る塩で,比較的低温で液体状態となります。その特徴としては蒸気圧がほとんどない,引火性,可燃性がない,熱安定性が高い,比較的低粘性である,幅広い温度範囲で液体状態である,イオン伝導性が高いなどが挙げられます。このような特性を有するイオン液体は,多方面での応用が検討されています。例えば,イオン液体を反応溶媒として用いた時,溶質はイオンのみに溶媒和されるため,水や通常の有機溶媒を用いた時とは全く異なった環境下で反応が進行します。これまでにフリーデル-クラフツ反応,ディールス-アルダー反応,鈴木-宮浦カップリング反応,ウィッティヒ反応,金属触媒を利用した不斉合成反応などに応用され,その有用性が報告されています1)。また,ある種のイオン液体は水や極性の低い有機溶媒に溶けにくいという性質を有しています。この性質を利用することにより,反応生成物を有機溶剤で抽出した後,イオン液体を回収,再利用することが可能です。近年,グリーンケミストリーの観点から環境への負荷を少しでも低減すべく,さまざまな方法が研究されています。イオン液体は安全性,分離精製,再利用の点で優れた溶媒として注目を集めています2)

イオン液体は反応溶媒のみならず,二次電池の電解質に用いるなど電気化学的な応用も報告されています3)。例えば渡邊らはイオン液体を高分子網目の中に閉じ込めた新しい固体電解質を開発し,「イオンゲル」と名付けました4)。このイオンゲルは従来の高分子固体電解質と比べて非常に高いイオン伝導性を示し,今後種々の電気化学システムの固体化,安全性向上に貢献すると期待されています。また,濵口らは磁性を有するイオン液体1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラクロロフェラートを見出しました5)。この磁性イオン液体は,従来の磁性流体が有する諸問題を克服した新しい磁性流体として,モーターの回転軸のシール剤を始めとする多方面での応用が期待されています。

参考文献

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