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糖鎖を丸ごと付加し生成物を分解しない酵素 グライコシンターゼ


 *1unitは,pH7.0,30℃において,pNP-GlcNAcに作用させた時,1分間あたりに1μmolのSG-GlcNAc-pNPを生じる酵素量。
 グライコシンターゼ(Endo-M-N175Q)は山本・梅川らによって開発され,弊社で先に販売しているEndo-M1)の活性中心付近を部位特異的に変異させた酵素です。この酵素は糖供与体としてオキサゾリン体を用いることによって糖鎖を効率よく付加転移させる一方で,糖加水分解活性が抑制されている特長を持っています。このため糖転移生成物は酵素によって分解されにくく,生成物を高収率で得ることができます。この特長によって本酵素は糖鎖工学の有用なツールとして応用が期待されています。

図1 Scheme of transglycosylation reaction

 梅川らは精子抗原CD52のGlcNAc部分に高マンノース型糖鎖のオキサゾリン体または複合型糖鎖のオキサゾリン体を糖供与体として糖転移反応を行い,それぞれ84%,76%と高い転移率で糖転移生成物を得ることに成功しました2)。また血圧降下作用を持つ2つの生理活性ペプチドPAMP12とSubstance Pを受容体とし,シアロ複合糖鎖のオキサゾリン体を糖供与体とした糖転移反応においてもそれぞれ95%,98%の高い転移率を示しています(図2)3)。2009年の論文ではこの糖-オキサゾリン体を用いた糖鎖合成反応の優位性が報告されています4-5)

図2 Experiment example of the transglycosylation

 効率の良い糖転移反応の実用化はバイオシミラーなどの糖タンパク質合成への展開にも有効であり,新しい機能性糖鎖複合体の創製が期待されます。

 グライコシンターゼ(Endo-M-N175Q)の糖転移反応の例をご紹介します。シアロ複合型糖鎖オキサゾリン体を糖供与体,GlcNAc-β-pNP [N0866]を受容体とした糖転移反応を行ったところ,24時間後に95%という高い転移率で生成物が確認されています。以下その反応スキーム(図3)とHPLCによる反応追跡,生成物のMALDI-TOF-MSをお示しし ます(図4,5)。これらの結果をみるとオキサゾリン体から持続的かつ効率的に糖転移反応物が得られていることがわかります。

図3 Transglycosylation of oxazoline derivative and GlcNAc-β-pNP

HPLC: ODS, CH3CN / H2O, UV 260nm
⇒(space):GlcNAc-b-pNP       ⇒(fill):glycosylated product

図4 HPLC profiles of transglycosylation reaction.

図5 MALDI-TOF MS spectrum of transglycosylated product.

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