世界初の抗生物質(抗菌剤)であるペニシリンG [P1772]は,Alexander Flemingにより1928年に発見されました。Flemingは,Penicillum属に属するアオカビの代謝産物が強力な抗菌活性を示していることに気づき,これに含まれていた抗菌性物質をペニシリンと命名しました。そのため当初,抗生物質はカビや微生物が細菌を殺すために作った化学物質を指していました。その後の医薬品化学の進歩により,現在では天然の抗生物質を化学修飾した半合成品が主流となり,さらに「合成抗菌剤」と呼ばれる完全化学合成品も登場しています。
抗生物質には色々な種類がありますが,その抗菌作用により「殺菌性抗菌剤」と「静菌性抗菌剤」の二つに分けられます。殺菌性抗菌剤は細菌を直接殺す作用を持っており,多くは細菌の細胞壁とその構成成分の生成を阻害する作用を持っています。一方,静菌性抗菌剤は細菌を直接殺さずに,核酸や蛋白質の合成を阻害して,細菌の増殖を抑える作用を持っています。研究用試薬としての抗生物質はこのような作用を利用しています。抗生物質は新規抗生物質開発のための比較対象としてはもとより,細胞培養培地の各種微生物の増殖を抑える補助剤,および遺伝子工学における抗生物質耐性遺伝子を持つ細胞の選択剤としてなど幅広い分野で用いられています。
(これらの製品は試薬であり,試験・研究用のみにご使用ください。)
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